1月3日

サザンカの木



 これは、お客様から預かった山茶花(さざんか)の写真です。この山茶花は毎年冬になると綺麗な花を咲かせてくれ、家族全員の目を楽しませてくれたのですが、数年前の冬に急に立ち枯れてしまったとの事。お客様には、この木に大切な思い出があったのでしょう。捨てることなく今まで大切にしまっていたそうです。
 この木を身近な小物として再生て欲しいと、そんな想いを託されたのが昨年の夏の話になります。なるべくお客様の考えに沿った形に仕上げようとデザインを考えあぐね、完成お引渡しは昨年の暮れになってしまいました。





 冬の寂しい季節に綺麗な花を咲かせる山茶花は、童謡の歌詞にも出るように人を引き付ける木だと思います。また、冬に花をつける椿も山茶花にそっくりで、私には区別がつきません。両方ともに普段の仕事には使わない材料ですが、椿は木版画の材料として使うのを本で読んだ事があります。木口(こぐち)、つまり丸太の年輪が見える面を版木に使う木口木版と言う技法です。椿の木は硬くて均一で目が詰まっているので、緻密な版画を幾枚も刷れるのだそうです。実際に木口木版を見た事がありますが、これが木版画かと思うくらい繊細な表現がされた作品でした。
 削ってみると山茶花は、想像通り椿のように硬くて均一でネバリのある木でした。旋盤に固定し、材料を回転させて刃物を当てると削り屑がシュルシュルと心地よく飛んで行くのです。












 預かった山茶花からは、大きなドングリが一つと小さなドングリが三つ、雪だるま一つ、もみの木一つ、そして小箱を二つ作る事ができ、お客様には大変喜んで頂けました。