5月24日

時計とフォトフレーム



 取り壊される旧家から持ち帰った天井板。それは、長い間囲炉裏の煙に燻されて褐色に輝き、また、当時の職人さんの手間をかけた手仕事の跡が残る、とても綺麗な天井板でした。この板を持って帰らなくてはと感じた御家族の思い・・・。
 たった一つの板ですが、時間を越えた様々な気持ちが詰まっていました。そして今、目前にこの板がある事に感謝する気持ちと共に、プレッシャーも感じていました。 







 単に販売目的の商品ならば、古材の欠点を取り除いた綺麗な部分だけを、選んで使えば良いと思います。しかし、思い入れのある古材ならばと、あえて虫穴や色の違う場所が見えるように使いました。白っぽく見える所は、桟で隠れていた部分です。ここには、「べんがら」と思われる塗料が当時のまま残っていました。(防腐・防虫効果のある「べんがら」や「柿渋」は昔から家屋に塗られていた自然塗料です。)
 何故、ここに色の違う部分があるのかは、材料の由縁を知っている人達だけが解るのでしょう。そして、この時計とフォトフレームに残った跡から、それぞれに当時の事柄を想って頂けたなら、これは製作者として大変に幸せな事です。